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黒岩 由衣さん IQVIAサービシーズジャパン株式会社内定


黒岩 由衣さん

群馬県立前橋女子高等学校 出身




「文理融合」という言葉に魅かれたからです。私は高校2年生で理系のクラスを選択しましたが、当時は地理や国語などの文系教科にも興味がありました。それでも理系女子では在りたい、という漠然とした考えを持っていた時、人間総合理工学科を知り、自分の理想の学びができるかもしれないと感じたため、受験を決めました。


「環境デザイン」の講義が印象に残っています。この講義ではInkscapeというソフトを使用し、地域の特徴や架空の都市計画をPRするポスターをデザインしました。なぜ美術のスキルが理系に必要なのかというと、日本の科学者は、海外と比較して研究成果を発表する際にわかりやすさ・デザイン性を意識する人が少ないそうです。この問題点から、デザイン意識の高い理系が現代において必要とされており、私もそのような人材を目指したいと思いました。毎週課題のフィードバックをしていただけるので、次週の課題に活かしたり、自主的に前回の課題を再考したりして技術を磨いていました。


この学科でしか得られない学びができたと思います。正直、1年生の時は分野の広さに戸惑うこともありました。脳科学の講義の後にミツバチの生態を学んで、列車の脱線事故について感想文を書いて…。ただ、その中で自分が本当に興味のある分野を見極めて追及できたことが、一番の「学び」だと私は思います。また、同じ学科で同じ講義を受けている仲間でも興味を持つ分野が異なり、刺激し合って時には助け合って生活できた時間がとても楽しかったです。


プレゼンテーション能力だと思います。私は高校時代放送部に所属しており、原稿を読むのは得意でしたが、この学科では「いかに興味を持ってもらうか、記憶に残るか」を意識したプレゼンを学びました。とにかく人間総合理工学科は発表の機会が多く、どんな人でも緊張感に強くなると思います。この能力は社会人になっても活かせるので、同期に一歩リードできると期待しています。


多摩キャンパスと合同の映像制作サークルに所属していました。映画鑑賞が好きだったので、話の合う友人を求めて入ったつもりが、最終的には短編ドラマの監督やFMラジオのコーナー運営などを務めていました。Photoshopのプロがいたり、独学でCGを極めた先輩がいたり、撮影スケジュールを管理するのが誰よりも上手い人がいたりと、個性豊かな人たちがたくさんいて刺激的な環境でした。


私は保全生態学研究室に所属し、「訪花昆虫にとって魅力的な園芸植物の花形質の特定:都市部における訪花昆虫の多様性保全に向けて」というテーマで研究をしていました。近年植物の送受粉を担っている訪花昆虫が世界各地で減少しており、その対策の1つとして園芸植物を活用した訪花昆虫の保全が注目されています。本研究では園芸植物を活用したより効率的な訪花昆虫の保全方法を提案するため、花形質の異なる多くの品種を有するハスを対象として、訪花昆虫が好むハス花の形質を特定しました。


探求心を持てたことです。4年生の初めの頃は大学院に行ってまで何かを研究したいという意欲が無かったのですが、ハスと訪花昆虫の観察を続けているうちに、来年の夏はどのような傾向があるのか、ハス以外の植物ではどう変化するか、などを「知りたい」と思うようになりました。自分の中ではそれが成長だと思います。


「健康科学実習」という講義で臨床試験の一連の流れを行ったことがきっかけで、CRO業界に興味を持ちました。当時友人が白血病を患ってしまった経験から医療系に進みたいと思っていましたが、理工学部に進学した後だったので半ば諦めていました。しかしCROは医療資格が必須ではなく、慎重かつ迅速に業務を進める「要領の良さ」と、病院と製薬会社の間に立って「両者の気持ちに寄り添える人」が求められると考え、自分に合っていると思いました。IQVIAを志望した理由は、トップレベルの技術・人材が揃っているだけでなく、プロジェクトに応じた多様な研修制度が整っている点が魅力だと感じたからです。次々と新しい案件に挑戦し、自身と会社の成長のために働きたいと考えました。


就職活動を始めたばかりの頃、自分自身が何をやりたいのか分からず悩みました。そこでとりあえず教育や食品、メディアなどあらゆる業界の説明会に参加して、徐々に「就職活動の軸」を構築していきました。最終的には医療、ITの2つの業界に絞ることができました。


大学受験は第一志望に受かることが人生のすべてのように思える(思わされる)かもしれませんが、最終的には行った大学でしか得られない経験や、学びがあります。ただもう少し頑張っていれば、と後悔することも事実です。だからまずは落ち着いて、目の前の問題を確実に解いていけば、きっと大丈夫です。体調管理に気を付けて、親への感謝も忘れずに頑張ってください。