人間総合理工学科がお勧めする「留学」

人間総合理工学科の魅力の一つは「豊富な留学機会」です。理系で留学というのは意外かもしれませんが、科学研究の共通言語は英語であり、そのため、理系の学会や論文発表はほとんど英語でおこなわれます。グローバル化の波が容赦なく押し寄せる中、英語によるコミュニケーション能力の涵養は、エンジニアや研究者といった理系人材にとって、必須の課題と言って過言ではありません。そして、英語力の育成に最も効果的なのが留学です。

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短期・長期

短期留学
まず、中央大学理工学部は1週間~1か月程度の短期留学プログラムを多数用意しており、今のところ望めばどれかには参加可能という状態です。この中でも、上海理工大学(中国)とのプログラムは、本学科の原田芳樹先生が中心となり、大学間の国際交流を進めています。例えば、毎年開催される上海理工大学への学生派遣(学部1~3年生が対象)は、文化交流に加えて、単位の取得もできる上に、上海近郊の様々な企業でのインターンも豊富で、かなり充実した内容となっています。また上海理工大学から、学生と研究者を中央大学にお招きし、毎年異なるテーマで様々な研究・文化交流を継続しています。現在、コロナ禍の影響で短期留学プログラムはすべてオンラインでの開催になっております。再開し次第、紹介いたします。

 
長期留学(交換留学)
本学科が特に力を入れているのは、長期の交換留学です。これは、大学間連携協定に基づき、中央大学から学生を半年から1年間、協定先の大学に「正規の学生」として派遣する仕組みです。つまり、留学先の大学で、現地の学生に混じって、普通に授業に参加することができます。さらに、現地で取得した単位を、中央大学の単位として卒業要件に組み込むこともできます。これにより、交換留学に行きながら、4年で大学を卒業することも可能です。

交換留学によりグローバル人材としての能力が高まることは間違いありませんが、履歴書に彩りが増すという効果はキャリアアップには重要です。たとえば、学歴欄が

2018年4月 中央大学理工学部人間総合理工学科入学
2021年8月 The University of Copenhagen交換留学
2022年6月 The University of Copenhagen交換留学修了
2023年3月 中央大学理工学部人間総合理工学科入学

のようになるわけです。これは、明らかに眺めがいいですね。

実は、中央大学には国際○○という名がつく学科が多数ありますが、例年、交換留学生の派遣比率が最も高いのは人間総合理工学科です。さらに、国内の理系学科の中でも、調べた限り当学科を超える交換留学派遣率を達成している学科はありません(どこかライバルがあれば、ぜひ、名乗り出てください!)。

交換留学生として派遣されるためには、中央大学の選考試験に合格しなければなりません。これがなかなかの難関で、英語4技能試験でTOEFL61点以上、IELTS5.5を最低でも取得しなければなりません。これは、おおむね英語でコミュニケーションが可能なレベルです。当たり前の話ではありますが、留学先で普通の授業を受けるためには、留学前に英語力を授業が受けられるレベルに上げていかなければならないわけです。

 
人間総合理工学科に入学する学生は必ずしも英語力が高いわけではありませんが、多くの学生が、在学中の努力で留学を達成しています。この原動力は、①留学を実現した先輩が身近にいるという現実、②留学を目指す学生がそばにいるというピアプレッシャー、③教員からの英語学習サポートの3つです。さらに、留学を通して劇的に英語力を上げた学生がいることで、周囲の学生の英語学習へのモチベーションが高まっており、交換留学生の存在は当学科におけるグローバル化意識の向上に大きく貢献しています。

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本学科の長期留学パターン

2020年度のカリキュラム改正により、当学科では様々な留学パターンを用意しております。交換留学の試験は年々難化しつつありますが、一度落ちても、翌年挑戦できるという安心感もあります。

2年後期―3年前期
この場合、1年時の11月に交換留学試験を受ける必要がありますが、準備ができている場合、就活への影響も少なくてすみます。

3年後期-4年前期
最も一般的なパターンです。卒業要件をかなり満たした状態で留学に行きますので、修学も比較的楽になります。また、学部を4年で卒業する場合、就活にも間に合います。ただし、帰国後はかなり努力が必要で、実際、先輩方は相当の努力をして良好な就職実績を残しています。なお、大学院に進学する場合は、就活を意識しないでよいため、留学のメリットが最大限に生かされます。留学生の場合、大学院入試はほとんどが推薦入試となりますが、留学先からオンラインで受験することが可能です。

 
4年後期―5年前期
最近可能になったパターンで、留学後に学部を9月卒業する方法です。ギャップイヤーを経て学部就職することも可能ですが、お勧めは大学院に9月入学する方法です。この場合、留学前に推薦入試を受けていれば、多くの大学院単位をM0履修として先行履修することができますので、大学院での授業負担についても、帰国後に過度に集中するということが避けられます。大学院修士課程も努力次第で1.5年の短期修了が可能です。つまり、留学を挟んで6年で修士を取得することも可能です(努力は必要ですよ)。この柔軟な留学サポートは、国内でも珍しいシステムですので、ぜひ活用してみてください。

修士1年後期―修士2年前期
留学先は絞られ、入学難易度は上がりますが、大学院での留学も可能です。この場合、学部4年の11月に留学試験を受けることになります。卒業をまたぎますが、学部―大学院の継続した留学支援が受けられます。なお、大学院生の就活はM1に早まりつつありますので、修士修了後すぐに就職する場合、海外からの就活は必要になります。博士課程へ進学する場合には、まったく問題ありません。

オーストラリア、韓国留学(前期-後期)
オーストラリアと韓国は日本と同様に4月入学ですので、一見、留学はしやすそうですが、1年間丸々留学で抜けが生じますので、留学先からの単位認定を計画的にしないと、卒業研究履修が遅れてしまう可能性があります。原理的には、2年次、3年次、4年次の留学が可能ですが、2年次の場合は必修単位の取得が足りず、最短4.5年での卒業となります。3年次の場合、単位認定をうまくすれば4年での卒業も可能ですが、半年伸ばして9月卒業が無難です。4年次に留学した場合は、やはり最短で4.5年での卒業となります。

ただし、修士進学を念頭に置いた場合、学部4.5年、修士1.5年というパターンも活用できますので、6年間での修士号取得も可能となります。

 
セメスター留学
上記の留学は、1年間(2セメスター)を想定していますが、半期での帰国も可能です。ただし、留学試験の基準は1年間の留学と同じです。一般的に、交換留学の場合、前半は苦労して、後半に調子が出てくるというパターンが多いため、実りある留学を実現するには、かなり語学力を高めておいてからの方がよいでしょう。

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留学実績

人間総合理工学科がこれまでに送り出した留学先のリストです。留学内定者の合計は45名。コロナ禍等で辞退者が出たため、実現数は37名です。このリストをご覧いただければ、理系でも交換留学は夢ではなく、実現可能なオプションであることがお分かりいただけるでしょう。

2015年:2名
University of Mississippi(ミシシッピ大学、米国)
East Tennessee State University(東テネシー州立大学、米国)

2016年:7名
Benedictine University (ベネディクティン大学、米国)
East Tennessee State University(東テネシー州立大学、米国)
University of Arizona (アリゾナ大学、米国)
University of California, Davis(カリフォルニア大学デイヴィス校(米国)
University of the Fraser Valley(フレーザーバレー大学、カナダ)
University of Copenhagen(コペンハーゲン大学、デンマーク)
Strasbourg University(ストラスブール大学、フランス)

2017年:12名(1名辞退)
East Tennessee State University (東テネシー州立大学、米国)
University of California, Davis (カリフォルニア大学デイビス校、米国)
University of the Fraser Valley(フレーザーバレー大学、カナダ)
Osnabrück University(オスナブリュク大学、ドイツ)
University of Copenhagen (コペンハーゲン大学、デンマーク)
University of Southern Denmark (南デンマーク大学、デンマーク)
Linnaeus University (リンネ大学、スウェーデン)
Stockholm University (ストックホルム大学、スウェーデン)
The University of Sheffield (シェフィールド大学、英国)
City University of Hong Kong(香港城市大学、香港)
Southern Taiwan University of Science and Technology(南台科技大学、台湾)*辞退
Bandung Institute of Technology(バンドン工科大学、インドネシア)*大学院生

2018年:7名
East Tennessee State University(東テネシー州立大学、米国)
University of Hawaii at Hilo(ハワイ大学ヒロ校、米国)
Memorial University of Newfoundland(ニューファンドランドメモリアル大学、カナダ)
University of the Fraser Valley(フレーザーバレー大学、カナダ)
Strasbourg University(ストラスブール大学、フランス)
National Central University(国立中央大学、台湾)
Middle East Technical University(中東工科大学、トルコ)

2019年:10名
East Tennessee State University(東テネシー州立大学、米国)2名
Minnesota State University, Mankato(ミネソタ州立大学マンケート校)2名
University of California, Davis (カリフォルニア大学デイビス校、米国)
University of Hawaii at Hilo(ハワイ大学ヒロ校、米国)
University of the Fraser Valley(フレーザーバレー大学、カナダ)
Stockholm University(ストックホルム大学、スウェーデン)
University of Copenhagen (コペンハーゲン大学、デンマーク)
Nanyang Technological University (南洋理工大学、シンガポール)

2020年:7名(コロナ禍のため中止)
East Tennessee State University(東テネシー州立大学、米国)2名
University of Mississippi(ミシシッピ大学、米国)
University of the Fraser Valley(フレーザーバレー大学、カナダ)
Linnaeus University (リンネ大学、スウェーデン)
Stockholm University(ストックホルム大学、スウェーデン)
University of Copenhagen (コペンハーゲン大学、デンマーク)

2021年:コロナ禍のため、応募者無し

 

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