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高田研究室保全生態学研究室

昆虫の訪花が種子生産に寄与するタイミングが“5秒間隔の撮影”で明らかに~ハスの花を用いた実験的検討~ー高田まゆら教授の研究がプレスリリース

保全生態学研究室の高田まゆら教授らによる訪花昆虫に関する学術論文がScientific Reports(ネイチャー・リサーチ社)に掲載されました。花を咲かせる植物の多くは、昆虫や鳥などの動物に花粉を運んでもらい受粉・結実します。こうした動物たちの貢献度は開花期間中の時間帯や天候など様々な条件によって変動するため、短期間の観察から全体像を把握することは困難でした。この研究では、5秒おきに写真を撮影できる自動システムを用いることで、開花全期間中に訪花した動物の観察を可能にし、種子生産に寄与する動物の種類や訪花のタイミングが明らかになりました。

研究成果を具体的にまとめたプレスリリースはこちらから!

日経新聞にも掲載されました。紹介記事はこちらから!

概要:中央大学理工学部 高田まゆら教授らの研究グループは、昆虫による送粉(注1)の研究における連続写真撮影の有効性を示す論文を発表しました。美しい花を咲かせる植物の多くは昆虫や鳥などの動物に花粉を運んでもらい受粉・結実しますが、花を訪れる全ての動物が送粉に有効とは限りません。花粉を運んでくれる動物であっても、その活動は開花期間の中で開花からの経過日数や時間帯、天候によって変動するため、短時間の観察から全体像を把握することは困難でした。そこで、天候に左右されずに5秒間隔で写真を撮影できる自動システム(図1)を用いて、ハチ、ハエ、甲虫など様々な昆虫が訪れるハスの花の開花期間(約4日間)におけるほぼ全ての訪花を記録し、撮影した花の種子生産まで調査したところ、雨風がなく最適な気温の下で開花2日目の朝5~7時台に花を訪れるハチ類が多いほど種子生産が増えることが明らかとなりました(図2)。一方で、送粉昆虫を捕らえて餌にするスズメバチやクモ類などが頻繁に来る花では送粉昆虫の訪花が少なく、種子生産にマイナスの影響をおよぼしうることも示唆されました。

(注1) 送粉 植物の花粉をおしべからめしべまで運んで受粉させて、結実を助けること。これを担う動物を送粉者とよぶ。

 


図1. 研究に用いた撮影システム。自動撮影カメラを用いて5秒間隔で花に訪れた昆虫を撮影することが出来る。

 


図2. 結果から予想される訪花と結実の関係。開花2日目の朝5~7時台に花を訪れるハチ類が多いほど種子生産が増える。
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