ニュース
学科のお知らせ受賞学生インタビュー

一輪車世界選手権優勝体験記:阿部祐菜さん

本学科所属(3期生)の阿部祐菜さんが、2016年にスペインで開かれた第18回国際一輪車選手権に参加。その結果、見事、
 グループ・フリースタイル優勝
 ソロ・フリースタイル年齢別(19-20歳)の部で優勝
という輝かしい成績を修めました!

人間総合理工学科には多様な才能を持った学生さんが集まっていますが、一輪車競技を究めるという文武両道の実践、すばらしいですね。

さらに、阿部祐菜さんは一輪車競技を通じて世界と戦っていく中、グローバルな活躍を志し、2017年の夏から、交換留学生として、コペンハーゲン大学に留学いたします。もちろん、現地で一輪車も続けるそうですよ。

そんな阿部祐菜さんに、第18回国際一輪車選手権の参加体験記を寄稿いただきました。
Yuna Abe
阿部祐菜さん


UNICON18について

UNICON18とは、第18回国際一輪車選手権のことです。UNICONは曲に合わせて踊るフリースタイル、速さを競うレース、トライアルなどのアーバンスタイルなど6つの種目があります。たくさん試合があるため、大会は約2週間となっています。ほとんどの種目に年齢別クラスとエキスパートクラスがあり、エキスパートクラスで優勝を取った者が真の世界一になれます。

会場について

UNICON18はスペインのドノスティアにあるアノエタ競技場で行われました。

ドノスティアはスペイン北東部、バスク自治州、フランスとの国境から約20kmのところにあります。そして、ビスケー湾に面しており、海岸線は人気のスポットでもあります。また、ドノスティアはスペインで一番治安が良いと言われています。実際にスリに遭った人もおらず、夜に外出しても何も問題はありませんでした。さらにここはバスク料理が有名で、美食の町と呼ばれています。
ドノスティアの街並
ドノスティアの街並

ドノスティアの海岸
ドノスティアの海岸

そして、今回大会が行われたアノエタ競技場はドノスティアのサッカーチームであるレアル・ソシエダの本拠地です。ここはとても広い会場で、収容人数は32,076人です。UNICONは様々な種目があり、会場が離れてしまうことが多いのですが、ほとんどの種目がこのスタジオ周辺で行われたためとても便利でした。私は演技種目に出場したため、体育館を使用することが多かったです。
アノエスタ球場の外観
アノエスタ球場の外観

アノエスタ球場内の競技会場
アノエスタ球場内の競技会場

大会期間中、私は選手村で過ごしました。選手村は競技場から徒歩約3分のところにあるアマラ・ベルリスクールです。ここで、1部屋約15人で過ごしました。
アマラ・ベルリスクール
アマラ・ベルリスクール


大会までの道のり
小学生の頃から世界一を取ることを目標にして今まで練習してきました。一輪車には基本的にはプロとして生きてはいけないので、いつかは一輪車をやめて、将来のことを真面目に考えないといけないと考えていました。そのため、「国際大会で優勝したら一輪車をやめる」と決めて今までやってきました。しかし、中学1年の時と高校1年の時もUNICONに出場して優勝を逃していました。さすがに大学に入っても続けるのはどうなのかと思い、最初はこのUNICON18に出る予定はありませんでした。しかし、今回のグループリーダーの方に「一緒にグループをやらない?」と誘われてしばらくの間悩みましたが、ラストチャンスになると思い、参加することを決意しました。

大会に出場することを決意してからは個人演技のためにひたすら技術力の向上に徹しました。しかし、大学に入学してから練習時間がとても減ってしまい、思うように技術力は向上しませんでした。でも、UNICONは日本の大会と違い、テーマ性を強くするために道具を使って得点を上げたり、ノーミスで演技を終えると追加点があったりなど点数を稼ぐ方法はたくさんありました。大会の直前になって、技術では勝負出来ないと判断し、よりミスの少ない演技を作り、振り付けではオーガンジーを使用することにしました。そして、大会の直前に大学から休みをいただけたので、そこで個人演技の完成度を上げ、ぎりぎりで演技が完成しました。

団体演技は途中で演技に使う曲を替えたりなど、個人演技と同様に演技の完成はぎりぎりになってしまいましたが、リーダーをはじめ、チーム全員を信じて本番ぎりぎりまで練習をしました。みんな住む地域が違い、なかなか全員揃っての練習が出来ず全員不安のまま本番に臨むことにはなりましたが、それぞれの技術力は確かなものなので何とかなったかと思います。

結果について
私は今回ソロとグループのフリースタイルと体育館で技術力を競うX-style(これはどんな種類の技もやってよい)、外で技術力を競うフラットランド(これは主にアクロバット系)に出場しました。X-styleは準決勝、フラットランドは決勝まで出場することができました。そして、ソロのフリースタイルでは年齢別(19-20歳)の部で優勝、グループのフリースタイルはエキスパートの部で優勝できました。
ソロ演技中の阿部祐菜さん
ソロ演技中の阿部祐菜さん

表彰式後のグループメンバー
表彰式後のグループメンバー


今後について
とりあえず、目標である世界一を取ることが出来たため、選手人生としては満足しました。今後は大会に出る予定は今のところありませんが、仕事をする上でも何かしらの形で一輪車に関わりたいと考えています。今まで何回も一輪車をやめたいと思うこともあったので、けじめをつけようと思い、今回の大会で成績が悪かったら今後は一輪車に一切関係ないことで将来生きていこうと考えていました。しかし、今回満足する結果を得られたので直接一輪車に関わるのは難しいですがスポーツ関連のことをやり、いつか一輪車と繋がるようなことがしたいと決心がつきました。そして、大きな大会には出なくても体が動く限りは一輪車に乗り続けていこうと思います。