就職・進路
活躍する卒業生就職・進路状況

活躍する卒業生ーオルガノ株式会社 小田嶋 龍飛さん(2019年修士修了、横浜市立南高校出身)

人間総合理工学科の卒業生は、在学中に身につけた多様な学びを反映し、多様な分野で活躍しています。そんな卒業生の活躍を紹介し、キャリアパスの参考にしていただく「活躍する卒業生」シリーズ。
今回ご登場いただくのは、水処理の総合エンジニアリング会社で働く 小田嶋 龍飛 さん です。人々の生活になくてはならない“水ビジネス”によって、社会に貢献しています。


小田嶋龍飛さん


Q.まず、現在のお仕事について教えてください。
A.社会のニーズに適した“水”を提供する、水処理プラントの設計や製作をしています。

様々な産業のニーズに適した“水”を提供する水処理プラントのエンジニアをしています。その中でも、医製薬を製造する際に必要な超純水(不純物がほぼゼロの水)を供給するプラントの設計・プロジェクト管理を担当しています。また、海外支社と英語でやり取りしながら、共同でプラントの設計・製作を行う会社初の事業スキーム立ち上げを担当しています。

Q.就職活動中、現在の企業を志望した理由は?
A.自分の中で3つの明確な基準を設定していました。

就職活動で軸としていた、①興味のある仕事ができるか ②大学で学んだ水処理の知識や留学経験といった”自分ならではの価値”を発揮できるか ③若手でも努力次第で大きな裁量を持てる社風があるか の3つ全てが今の会社には揃っていると感じたため、入社を決めました。

Q.仕事をする中で心がけていることはありますか。
A.自分の意見・判断全てに必ず“理由”を持つことを心掛けています。

上司に何か相談する際は、「自分の意見・判断」と「なぜそう考えたのか」を一緒に説明することで、自身の認識にズレが無いかを都度確認しています。それによって、自分の中にある思考法や判断基準を常にブラッシュアップし、次の業務でより良いアウトプットを出すことに努めています。

Q.失敗談などもあれば教えてください。
A.コミュニケーション不足。でも成長の貴重な機会にはなりました。

他部署とのコミュニケーション不足が原因で、ある設備が完成後、実はその設備を誤った方法で製作していたことが判明し、全て作り直したことがありました。会社として今までに経験が無いトラブルでしたが、限られた時間の中で、関連部署と協力して是正方法を必死に検討しました。結果として、何とか予定通りの納期内で、品質を落とすことなく対応出来ました。経験が浅い私にとって非常に難易度の高い業務でしたが、技術的知識や関連部署との連携方法を学び、成長できた貴重な機会でした。

Q.大学生のころはどんな学生でしたか?
A. “自分ならではの経験を、どれだけ多くできるか意識していました。

「面白そうと思ったことは何でもやってみる」をモットーに過ごしていました。留学、海外ボランティア、東南アジア一人旅、ヒッチハイク、学生起業の真似事、バイトは塾講師、カフェ店員、スタンプラリー係員までやりました。
水代謝システム研究室に入った後は、大学院を修了するまで、ひたすら水のことばかり考えていました。
ただ飽き性なだけかもしれませんが、今後の人生で誰かに語ることが出来る”自分ならではの経験を、どれだけ多くできるか意識していた気がします。

Q. 人間総合理工学科で得たものは何ですか?
A.解くべき課題を定義する「課題設定力」と、「情報編集力」です。

幅広い視点を活かした“課題設定力”と”情報編集力”です。上記を意識したキッカケは、人間総合理工学演習のグループワークでした。分野横断的なテーマに対し、各々の知を集結して解くべき課題を定義し、複雑な解決策を誰もが分かる形にまとめて発表する。こんな経験は一般的な理工系学科では得難い人間総合理工学科ならではの学びだったかと思います。本演習で身につけた“課題設定力”と”情報編集力”が、今の業務において、文系・理系問わずバックグラウンドが全く異なる方々と協力し、成果を出す上での原動力になっています。

Q.大学のときにやっていてよかったことはありますか。
A.インドネシアで理工系No.1のバンドン工科大学へ留学したことです。

大学院在学時に「トビタテ!留学JAPAN(※)」という留学支援制度を利用し、インドネシアで理工系No1のバンドン工科大学に留学したことです。留学のキッカケは、学部での授業や研究を通じて興味を持った東南アジアの水環境問題について、「実際に自分の目で見て学びたい」と思った事でした。留学中は、現地の学生と協力して水環境問題に関する英語のプレゼン大会に挑戦したり、インドネシアにローカライズした省エネルギー水処理システムについて研究したり、日本の自治体が現地水処理企業へ技術提供を行う場に参加する等、一般的な留学の枠組みを超えて幅広く活動しました。日本とは全てが異なる環境に飛び込み、「現地の本当のニーズや課題は何か?それを解決するために自分は何をするべきなのか?」を考え行動し続けた経験が、現在の仕事にも非常に役立っています。留学前は「お金も無いし、留学するよりも早く社会に出て経験を積んだ方がいいのでは…」と悩みましたが、先生方や周囲のサポートにより、誰とも被らない“自分ならではの経験”が出来て本当に良かったです。

※「トビタテ!留学JAPAN」とは、文部科学省と民間企業・団体による海外留学支援制度です。
制度を利用するためには書類、面接等の審査があり、合格した学生のみ本制度を利用することができます。

Q. 同じ業種を目指す学生に、メッセージをお願いします。
A.社会貢献性の高い水業界で、一緒に頑張りましょう!

水業界は社会貢献性が高い上に、国内外問わず複雑な課題が山積みだからこそ、新たな挑戦のチャンスが広がる非常に面白い分野だと思っています。興味のある方、是非一緒に水業界を盛り上げていきましょう!