応用認知脳科学研究室の井上あかりさん(2021修士)の修士論文を元にした研究が、Frontiers in Neuroergonomics に掲載されました。グアンファシン塩酸塩徐放剤がADHD(注意欠如多動症)児の脳機能に及ぼす影響を、fNIRS(近赤外分光分析法)による脳機能イメージングで可視化した研究です。
ADHD児のfNIRS脳機能計測
この研究は【特定臨床試験】「光トポグラフィー検査(fNIRS)を用いたAD/HDに対する GXRの薬理作用の可視化」(臨床試験計画番号:jRCTs 031190060)として、シャイアージャパン株式会社と塩野義製薬株式会社から資金提供を受けて、自治医科大学、国際医療福祉大学、日立製作所と共同でおこなわれました。
この研究の結果、GXRは「右前頭前野」に対してではなく『右角回』に対して効果を発揮し、ADHDの症状を軽減させるというメカニズムである可能性が考えられました。今までは主に「右前頭前野」がADHDの状態を調べる指標となっていましたが、『右角回』もまたADHDの指標になり得ると考えらます
この共同研究において、井上あかりさんは、計測の主担当、論文や報告書のとりまとめに奮闘し、発表論文でも、自治医科大学池田尚広助教とともに共同筆頭著者となっています。重要研究に関してメインプレイヤーとして活躍できるのは、人間総合理工学科ならではの魅力ですね。
著者の井上あかりさん
研究の詳しい内容は檀研のホームページの
解説記事 をご覧下さい。