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寶田 奈緒さん 野村総合研究所


寶田 奈緒さん

中央大学附属高等学校 出身




スキーを通して自然と触れ合って生活してきたことがきっかけで、幼い頃から環境問題や、関連する社会問題に興味を持ってきました。そのため、様々な社会問題を解決するために、エネルギー、水、生態系などの「環境」をテーマとする分野や、心理学や健康科学などの「人間」をテーマとする分野など幅広い理工学分野を実践的に学ぶことができることに魅力を感じ、進学しました。


3年次に行う「人間総合理工学演習」です。この授業では、専門が異なる学生が集まり、実際の社会課題についての問題定義から解決策の提案まで行います。様々な分野の学生とディスカッションすることで、自分が知らなかった分野の知識を得るだけでなく、新たな切り口から物事を捉えることができようになりました。特に、実際に現場見学に行くことや、専門家の方々からお話を伺う機会も多くあり、たくさんの知識を吸収できる環境だと感じました。


「よく遊び、よく学び」を実行に移せた6年間でした。授業での現場見学に加え、企業との共同研究開発、クラブチームでの競技スキーの活動を通して、様々な場所に足を運び、様々な方々と出会い、新たな学びを多く得ることのできた学生生活だったと思います。


自分がまだ知らない世界を知ることで、人として成長できたと思います。企業との共同研究開発では、教員や企業の社員さんに加え、環境課題に取り組む様々な企業や農家のお客様、森林整備ボランティアの方々など、実際の現場で交流することができました。競技スキーにおいても、選手としてだけでなく指導をする立場を経験したことで、新たな発見がたくさんありました。これらの経験を通して、多様な専門分野や年齢、立場の方々と関わることで、視野を広げることができたと思います。大学入学当初は知らない人と話をするのは苦手でしたが、自分の知らないことを知っている人と話をするのは面白い、もっと学びたいと考えるようになったことが、自分の成長した点だと感じます。


クラブチームに所属し、競技スキーの活動をしていました。大きな怪我と手術、長期間のリハビリを2度経験しながら全国学生大会6位まで成績を上げました。怪我後は成績が伸びない時期が続きましたが、トレーニングに加えてスキー指導を経験したことで、自分のパフォーマンスを客観的に評価し伝達するスキルや自分をマネージメントするスキルを身につけました。この活動に関連して冬場はスキーイベントのアルバイトなどを行っていた一方で、夏場はフルーツサンドを作るアルバイトもしていました。


企業と共同で、森林整備事業の廃材をリサイクルし、人工土壌を作る技術開発をしています。この研究が森林の保全に加え、農業の促進や国際的な低炭素社会の実現にも寄与することに大きな意義を感じています。大学院に進学してからは、現場の研究チームのリーダーを務めています。長野県の八ヶ岳にある実験場と都心キャンパスを往復して実験や分析を進めながらも、開発計画や知財管理のような戦略的決定に関わり、新たに加わるメンバーの研修なども担当しています。


企業との共同研究チームのリーダーとして、研究開発に加えチームのマネジメントも担当したことで、事前にアクシデントを想定してシミュレーションし、対応をするスキルを身につけられたと思います。また、理工系の投稿論文を書いた経験から、複雑な情報を完結にする・優先順位をつけて伝達する・詳しく説明する・要約するスキルや、先行研究の調査、特許の関連情報の扱い、Rを用いたデータ分析など、常に新しいスキルを身につけてきました。初めはできなかったことも、先生や大学の先輩、研究者の方々から教わり、また実際にツールを使って手を動かしていくことで徐々に身につけられたと感じています。リーダーになったこと、論文の執筆を通して理系としての考え方を身につけたことは、現場で的確な指示を出すことなどに影響を及ぼしていると実感しています。


学科や研究室で鍛えられたスキルが強みになる業界だと感じたからです。5日間のインターンシップ(企業見学や業務体験など)に参加した際に、お話しした企業の方々や同期になる学生の方々が大変尊敬できる面を持っており、共に働きたいと思ったため応募しました。


どのような質問においても、相手と自分の接点を想像して話すことを心がけました。また、研究と課外活動の二つを通して、これまで「どのように成長してきたか」「どのように短所を克服してきたか」を伝えることができたのが大きかったと思います。


人間総合理工学科は、「機会があればなんでもやってみる」という学生が特に成長する学科だと思いますので、そのような方は是非検討してみてください。大学院は深く狭くというイメージがありますが、更に色々な機会があります。研究や課外活動、ボランティアなど色々なことに挑戦し、そこで出会えた人々や、得られた知識や経験を大切にしてほしいと思います。私は人総での6年間の経験が、就活や全く違う分野でも活きていると感じましたし、今後社会に出てからも役に立つと思っています。人総は研究室によって進路が大きく異なりますが、親身になってくださる先生と研究者の方々が多く、研究と進路の両面において自分のやりたいことを追求できる環境です。大学での学びや友人との出会いを通して、キャンパスライフをぜひ満喫してください!