この授業では、ひとの心理を科学的に研究するうえで必要な統計学の知識・技法を学びます。もし卒業研究で心理系の研究をしたいと考えているなら、この授業を通してデータの扱い方の基礎を学んでおくべきでしょう。そして今回は、現場の声を聴いてみよう!ということで、担当の久徳先生と履修した学生に、「心理統計学・心理統計学演習の魅力」を教えていただきました。
久徳先生
➀心理統計学・心理統計学演習で身につく能力
【Ans】
この授業では
- ・ひとの心理に関する研究を計画・実行する
- ・得られたデータの整理をする
- ・データを分析する
- ・研究結果を発表・報告する
能力を身に着けてもらいます。
➁特に力を入れていること
【Ans】
特に「研究結果を発表・報告すること」に力をいれています。統計ソフト等があれば分析はできますが、自分の研究を深く理解し、報告する能力を養うことは簡単ではありません。この講義・演習ではその難しさを、身をもって経験することに力を入れています。
➂先生自身が面白いと感じる部分
【Ans】
客観的には目に見えない心理を「どのような研究デザインを組み、どのように測定・解析し、報告すれば、測定した現象を正しく捉え、適切に伝えることができるのか?」といった簡単には答えることができない問題に取り組むことが心理統計学の醍醐味です。また、心理は数字だけでは検証しきれないという限界を理解しつつも、学問として少しずつその限界を超えて発展している点が面白いですね。現在もどんどん新しい知見が生まれています。
授業を受けた学生
➀心理統計学・心理統計学演習で身についた能力
【Ans】
- 自分たちの知りたいことを明らかにするための実験デザインの組み方や統計を使った分析方法
- 統計学に関する知識、統計ソフトウェアを使って分析する力、数値的なデータを考察する力
- 計算式だけではわからない、統計解析によって算出される結果のイメージがしやすくなったと思う
➁心理統計学・心理統計学演習で印象に残っている場面
【Ans】
- 実験デザインを悩んでいた際、先生やTAの方が親身に相談にのって下さり、最終的に良い研究発表ができたこと
- 研究テーマや実験デザインなどを自分たちで決めるという自由度の高い授業だったこと
- 学生間で議論することを歓迎していたこと
- 授業中に実施したアンケート結果を用いて、グループごとに解析と発表を行なったこと
➂心理統計学・心理統計学演習で面白かった部分
【Ans】
- 「差」というものが誤差の範囲内なのか、違う要因によるものなのかを検定する手段があるという内容が面白かった。報道等で取り扱われているデータの見方が変わった。
- グループごとの発表の時に、もとのアンケートは同じでも、グループによって着眼点が違って面白かった。
- 正式なグラフの書き方など初めて知って面白かった。
- 自分たちの研究したテーマが「LINEのトプ画と性格の関係性」というもので、やっていてとても面白かったです。
今回、久徳先生と学生さんの両視点から魅力を教えていただきましたが、心理という目に見えないものを研究するということの難しさと奥深さを感じました。特に、先生が面白いと感じる部分を、学生さんも面白かったと感じているようで、とても充実した授業になっているのではないでしょうか。授業内容はもちろん、学生さんの意見からも充実感が伝わるので、確信をもっておすすめできる授業です!