授業紹介
人間総合理工学科生命・健康科学研究室小峯研究室

【専門科目の授業紹介】「生命倫理」小峯力先生

生命倫理では、人の命への理解や倫理観を深めていきます。ライフセーバーである小峯先生の命にまつわるお話を聞いたり、災害時のリアルタイム映像を見たりして、人の命をどのように捉えるべきか、これからどう生きていくのかをじっくり考えていく講義です。

 

人の死から生を考える

この講義で大切なのは、知識よりも思考、心情への想像力です。例えば、災害などで重傷を負っている人に対して、どのような対応をすべきなのか。片や患者の家族にはどのような言葉をかけるべきなのか。当事者の立場になって考えてみると、何がベストなのかわからなくなります。だからこそ、生命倫理という授業でしっかり学ぶことが必要なのです。

担当教員の小峯力先生は、日本初のライフセービング指導者であり、海岸での水難救助から、海上保安庁アドバイザーまで、幅広く活躍されてきました。様々な“死”に対する経験を基に学生に語り、そして「君たちならどうする?」と問いかけます。学生は、その問いに対する自らの考えや思いを、毎週、レポートという形で表現します。”問いかけ→考えること”を繰り返すことで、自分と他者双方の心情に対する想像力・思考力が深まり、人格的にも成長することができます。

 

人間総合理工学科の基盤に生命倫理あり

本学科の教育コンセプトは「物事を多方面から視る力を養う」ことです。現代社会が抱える複雑な問題を解決するという目標を基に定められました。大前提として、それらの問題には色んな立場の人がかかわっています。そして、その全員が納得することが理想の解決です。では、そのためには何が必要でしょうか?思考力・知識・プレゼン力などさまざまなことが必要ですが、それらは”現場への理解”がなければ意味を成しません。生命倫理で学ぶ内容は、人間総合理工学科の教育コンセプトの基盤といえます。

授業で熱く語り掛けている小峯先生