就職・進路
活躍する卒業生

活躍する卒業生ー独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)酒井亜実さん(2018年学部卒、山形県立山形西高校出身)

人間総合理工学科の卒業生は、在学中に身につけた多様な学びを反映し、多様な分野で活躍しています。そんな卒業生の活躍を紹介し、キャリアパスの参考にしていただく「活躍する卒業生」シリーズ。今回ご登場いただくのは、UR都市機構で働く酒井亜実さんです。多様な世代が生き生きと暮らせる持続可能なまちづくりによって、社会を支えています。


酒井 亜実さん


Q.まず、現在のお仕事について教えてください。
A.今年の3月まで、URが所有する既存団地の屋外空間における設計・工事を担当していました。CMでも流れているように、URの団地には緑豊かな住環境が広がっています。そんな屋外空間の緑や広場、遊び場等のリニューアルに伴う設計・工事を行うのが私の仕事です。今年の4月からはまちづくりと一体となった団地再生事業に携わっており、自治体や民間事業者様と協力しながら多様な世代が生き生きと暮らせる、持続可能なまちづくりに取り組んでいます。

Q.就職活動中、現在の企業を志望した理由は?
A.学生時代、研究を進める中で、地域の歴史や文化を紐解いた都市の再生や、都市の中にある緑の存在の重要性を実感しました。そのため「自分も将来、まちづくりという大きな視点で、公共性の高い屋外空間づくりに携わりたい」という思いが芽生えたんです。様々な企業を調べる中で行き着いたのがURでした。自治体と協力しながら地域に根差した都市再生プロジェクトの推進や都市公園整備を、全国様々な場所で行うことができるのがとても魅力的でした。都市再生の分野以外にも、URが所有する団地の豊かな緑環境や、災害復興など、様々なフィールドで造園職としてまちづくりに携わることができる点で入社を決めました。

Q.仕事をする中で、心がけていることはありますか。
A.自分の考えをもって伝えること。ありきたりですが、「なぜこうしたいのか」「どんな気持ちで考えたのか」を自分なりにストーリー立てて、考えて伝えることを意識しています。現在入社4年目、まだまだ未熟者ですが自分なりの意見をぶつければ、さらに良い意見を先輩たちが肉付けして返してくれるので、そこから多くのことを学べています。「伝える力」にはまさに人間総合理工学科での経験が生かされていると日々感じています。

Q. 人間総合理工学科で得たものは何ですか?
A.“想いを持って、伝える力”はこの学科にいたからこそ得られたと思います。

“想いを持って、伝える力”です。人間総合理工学科では、一つのテーマに対して現状を分析し、課題を抽出、解決のための手法を見出し発表する機会がとても多かった記憶があります。思い返せば、チームのメンバーと深夜まで意見交換や資料作り、発表練習を行っていましたね(笑)。大変ではありましたが、とても楽しかったです。「伝える力を身につける」って簡単なようで実はすごく難しいのですが、授業で繰り返すうちにだんだん身についてきて、最終的にはプレゼンテーションが大好きになりました。一つのテーマに対してあそこまで本気で打ち込んだり、伝える力を身につけたりできたのは、この学科にいたからこそ得られたものだと思います。社会人になった今でも、仕事を行う上でとても生かされていると実感しています。

Q.大学生のころはどんな学生でしたか。
A.良い意味で暇のない学生生活でした(笑)。

暇をつくらない学生生活でした(笑)。授業や研究などは比較的真面目にとりくんでいたかなと。忙しい学生生活でしたが、じっとしていることが嫌いで、時間を見つけては国内・海外旅行へ行ったり、学生寮の寮長を引き受けて自治活動を行ったり、やりたいことリストを作って時間ができれば叶えに行く、など、良い意味で暇のない生活を送っていました。本に載っていた広大な高原の景色を自分の目で見たくなり、その日のうちに現地の友達に連絡し、ニュージーランド行きのチケットを取ったこともあります(笑)。自分の目で様々な景色を見ることは私にとってとてもリフレッシュになり、今も国内外問わず時間を見つけてはいろんなところに旅行へ行っています。社会人になってからはあえて何もしない日を作ってゆっくりすることも増えましたが、やはり休みができるとあちこち飛び回ってしまいますね。


Q.大学のときにやっていてよかったことはありますか。
A.学生という立場で、社会とつながりを持つ経験ができたことです。

社会とつながりを持つ経験ができたことです。
当時住んでいた学生寮の有志で、住んでいる地域の魅力を、より多くの人に知ってもらうためのフリーペーパー作成活動を行っていました。住んでいた地域の魅力を引き出すことを目的に、街を歩きながら魅力を発掘→特集の内容を考え→アポイントを取って→取材を行い→編集→発行するという一連の流れを行っていました。アポイントを取るための電話練習や言葉遣い、名刺を渡すマナーを学生ながらにみんなで練習しましたね。地域のたくさんの方々へ取材を行い、一緒に試行錯誤しながら記事の内容を推敲するなかで、一つのものを相手と作り上げることの大変さと、完成して1冊の形になった時に感じるそれ以上の喜びを学ばせていただきました。時には厳しい言葉をかけられたこともありましたが、社会人になった今、それは社会で働いていくうえで必要なことであり、地域がそれを教えてくれていたんだなと感じる瞬間が何度もあります。学生という立場で、社会とつながりを持てたことはとてもいい経験になりました。