本日は、自己推薦入試を受け、合格をした坂本秀美さん(2015年度入学生)に自己推薦体験記を伺います。
まず人間総合理工学科を志望した理由は?
私は福島県で生まれ、育ちました。震災を機に神奈川県に引っ越したのですが、福島を離れてからも「被災した経験を何かにつなげたい」という思いは、ずっと持っていたんです。
でも、そのためにどの大学に行けばよいのか全く分かりませんでした。復興を支えるためには、多くのことを学ばなければならないし、幅広い人脈も作らなければならない。専門分野を学べる大学はたくさんあったのですが、私は、一方向だけのアプローチではなく、多方向から町の復興を支えたいと考えていたので、どうしてもしっくりこなかった。そんなとき、偶然、人間総合理工学科の存在を知ったんです。
人間総合理工学科であれば、まちづくりの基礎となる都市環境デザインも学べ、自然環境を把握するための生態学も、エネルギーや水の問題も、分野を横断して学べる。それに、様々な分野を学ぶことで、幅広い分野の専門家との人脈もできる。まさに、自分のやりたいこととマッチすると思い、志望しました。人間総合理工学科の石川幹子教授が、実際に震災復興に携わっているというのも決め手でしたね。
自己推薦入試で受験しようと思った理由を教えてください。
単純に、チャンスが多いほうが受かる確率も高いかなと思ったんです。
もし、自己推薦入試でだめだったら一般入試で受けようと思っていました。
あ、あと、特別な資格や受賞歴がなくても受験できたのが良かったです。
自己推薦書・プレゼンテーションではどんなアピールしましたか?
自分がどれだけ学科にふさわしいか、どれだけ学科で活躍したいと思っているかをアピールしました。具体的には、自身の経験を踏まえて「学科でこのようなことを学んで、このように活かしたい」とビジョンを提示したんです。私は、特別な資格もないし、何かの大会で優勝したような実績もない。だからアピールで勝たないと、と思い、必死でしたね。
プレゼンテーションのときに意識したことは、先生の顔をしっかり見て話すことです。プレゼンの際、資料をお配りしたのですが、先生の目線が資料だけにいかないように、先生お一人おひとりの顔を見る、メリハリをつけて話すなど工夫しました。
実際に人間総合理工学科に入ってみて、どうですか?
想像していた通りの部分もあるし、期待以上だった部分もあります。
たとえば、自分たちが学科を創っていくんだと再認識したこと。
私たちは三期生なので、先生と先輩方が創ってくださった学科に入っていくという気持ちだったのですが、「今はない人間総合理工学科の歴史を創っていくのが君たちの仕事、君たちが歩く道が人間総合理工学科の道になっていくんだよ」と、ある先生がおっしゃったんです。出来上がったレールを歩くのではなく、私もこの学科を担っていく一員なんだ、と今まで以上にモチベーションが高まりましたね。
あとは、学科全体で英語教育に力を入れていること。
入学当初はTOEIC300点台だったのに1年足らずで700点を超えた先輩もいると聞きました。英語を学びたい気持ちは前々からあったので、私も先輩方に負けないよう勉強したいなと思っています。
最後に受験生へのメッセージをお願いします。
人間総合理工学科で4年間学び通すのは、それなりに信念がいることだと思います。学ぶ分野が幅広いということは、魅力でもありますが、その分、課題は多いし、色々な文献を読む必要もあるし、とにかく大変です。でも、そのすべてが私たち人間の生活に関わっていると思うと、やりがいを持って取り組めることばかりです。同じように熱意を持った方は、ぜひ人間総合理工学科の入試にチャレンジしてほしいと思います。一緒に学科を創っていきましょう。