就職・進路
就職・進路状況学生インタビュー鷲谷研究室

就活生インタビュー -某外資系銀行内定-

人間総合理工学科は創設4年目を終え、始めての卒業生を社会に送り出します。記念すべき第1期生の中から、就職活動の体験談を語ったいただくことにいたしました。第一弾は、某外資系銀行に就職の決まった井口友華さん。当初は迷走していたようですが、次第に本学科の強みを活かしつつ、うまく就職につなげたようですよ。


2017年卒 鷲谷研出身 井口友華さん


Q.まず、金融業界を志望した理由を教えてください。
A.実は、はじめから金融業界を志望していたわけではないんです。私は3年生の冬頃から就職活動を始めたのですが、まず考えたのは理系企業への就職でした。「理工学部に在籍しているのだから、理系企業に就職しなければ」と思い込んでいたんです。でも、何社かインターンシップに行ってみて、なんだか違うなと気付きました。当時、アルバイトで接客をしていたこともあり、「もっと直接的に人と関わる仕事がしたい」という気持ちがどんどん大きくなっていったんです。

結局、立ち止まってもう一度自己分析をし直しました。その結果、私が志すのは『人をサポートする仕事、そして、幅広い業界を相手にする仕事』と、軸が定まりました。銀行なら、多くの人と関わることができるし、多種多様な企業の経営を支えることもできると考え、志望しました。

Q.就職活動中、苦労したこと、つらかったことはなんですか?
A.本格的に活動を始めて2か月ほど経っても内定がいただけなかったときは、つらかったですね。「自分は何をしているんだろう」と落ち込みました。スケジュール帳にはびっしり予定が詰まっていて、多くの企業にアピールしているのに、結果が出ない。最終面接までいって落とされることも何度もありました。

Q.モチベーションを維持するために何かしましたか?
A.私の場合は、先生やバイト先の上司など、目上の人に相談して、アドバイスをもらうようにしていました。自分の気持ちを吐き出せるので、発散もできますし、何より年長者からは的確なアドバイスがもらえました。そのアドバイスを自分なりに分析し、次の面接では同じ失敗をしないよう心掛けていました。「何がだめだったのか」と振り返ることで成長もできたので、失敗したことも無駄じゃなかったと思います。

Q.面接では、どのようなことをアピールしましたか?
A.人間総合理工学科では多くのことを学びますが、私が就職活動中にアピールしたのは二点。『データ分析力』そして『プレゼン力』です。

現在、多くの企業はビッグデータの活用に注力しています。データを分析することで、顧客のニーズを把握し、サービスとして還元すること。これは、銀行に限らず、様々な企業が取り組んでいる重要課題です。そのため、「私は統計学を用いてデータの分析ができる人材です」とアピールをしました。SPSSやSASなどの統計解析ソフトが使えるということも、武器になりましたね。

プレゼン力は「人間総合理工学演習(※)」で鍛えられた結果です。演習では、問題解決の手法なども学びますが、プレゼンのやり方についても先生に厳しく指導されました。どれだけしっかりと問題解決の筋道を立てていても、プレゼンが上手くなければ、先生方から細かくチェックされます。そのため、プレゼンとは何か、どのように発表すれば良いのか、演習時にみっちり考えさせられ、プレゼン力を身につけることができました。当時は先生に厳しく言われすぎて落ち込んだりもしましたが、その分、大きなアピールポイントとして使わせていただきました。

※人間総合理工学演習とは、人間総合理工学科3年次の必修科目。それぞれの教員の専門分野をかけあわせ、その専門分野の研究手法から、まだ答えが定まっていない課題に取り組む「問題発見解決型学習(Problem-Based Learning)」演習です。

Q.学科で学んだことを、将来どのように活かしていきたいですか?
A.私の目標は、金融業界で新しい商品を企画することです。人間総合理工学科の演習では、現状から問題点を見つけ、解決に導く手法を学びました。この学びを活かして、顧客に対して最適な新商品を企画・提案できればと思っています。そのためにも、まずは現状を把握して、データを分析すること。そして、顧客の声をしっかり聞くこと。これら二つを、こつこつやっていきたいと思います。

Q.最後に、後輩へのメッセージをお願いします。
A. いくつかありますが、まず志望企業の見定め方ですね。私の場合、就職活動中に「本当にこの会社に行きたいのだろうか」と迷って、内定をいただく前に辞退をすることもありました。そうなってしまうと、人事担当者にも迷惑を掛けてしまいますし、何より自分自身申し訳ない気持ちでいっぱいになります。選考が進まないと見えない部分もありますが、その前に「自分と企業が合っているのか」をしっかり考えることが大切だと思います。いろいろと考えた結果、私は『志望企業の雰囲気と事業、両方を好きになれるか』を判断基準にしていました。

まず『雰囲気』。これはとても感覚的なことなのですが、個人的にはかなり重要だと思っています。どれだけ魅力ある事業を行なっていても、感覚的なものが合わなければ企業を好きになることもできないので…。雰囲気を確かめるには、OBOG訪問をして、実際に働いている人に話を聞くことが一番だと思うので、ぜひ多くのOBOGと接して、自分との相性を見定めてみてください。次に『事業』。これについては、多くの学生さんがまず注目する部分ですよね。説明会やOBOG訪問に行くと、すごく素敵な方に出会って、ついつい「こんな人と働きたい!」と思いがちですが、必ず事業と自分のやりたいことがマッチしているか再度考えてみてください。人や雰囲気で会社を選んでも、部署によって雰囲気が違うなんてこともあります。これらの理由から、『雰囲気』と『事業』、どちらも好きになれる企業こそ、就職してからも後悔しない企業だと思います。ぜひ志望企業を見定めるときに参考にしてみてください。

最後に、これから就職活動をする皆さんには、失敗から学ぶことを大事にしてほしいと思います。私自身、面接やグループディスカッションで上手く話せなかったり、逆に手応えを感じたにも関わらず不採用だったり、「失敗」と言えるような経験を何度もしました。でも、そこで自分の中に閉じこもってしまっては何も得られません。選考を受けて通過したら、なぜ通ったのか。通過しなければ、なぜだめだったのか。何度も何度も振り返ることで、自分に足りないものや誇れる武器が見えてきます。就職活動中は、失敗をチャンスと捉えて、頑張ってください。